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近くで見るとやはり立派だ。
白い壁が清潔感を漂わせていて雰囲気の良い建物だ。
昭斗くんが鍵を取り出した。
今。
津々丘家の玄関の戸が開こうとしている─
「入っていいぞ。」
「あ、はい!」
その扉の向こうは─
いたって普通の光景だった。
「あ、れ…普通?」
「どんな想像してたんだよ。」
地味に突っ込まれた。
「そこのスリッパ使ってくれ。」
「ありがとう…」
スリッパも特に変わった様子は見られない。
私の考えすぎだったのかな…
「誰も帰ってねーみてぇだ。じゃあ先に場所教えとくな。」
どうやら案内してくれるようだ。
ここがリビング、あっちがトイレ。
そっちが風呂などと説明してくれた。
そして“あの”2階へ続くのだ。
そう…
私は間違っていなかったのだ。
考えすぎなんかじゃなかった。
むしろ…
想像以上の光景を…
この後、目の当たりにすることになる。
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