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私はみんなに見送られながら教室をあとにした。
「渚ちゃんget!」
ちーちゃんが私に腕組みしてきた。
「えっと…」
「あれからずっと狙ってたんだから!」
「え?」
「千春ったら休み時間になる度に9組を覗きに行ってたのよ。」
全然気付かなかった。
なんか悪いな…
でもどうして…?
「あたし渚ちゃんとお友達になりたかったの!」
ちーちゃんが私の手を握りつつ熱弁する。
「この前津々丘くんが話してたでしょ?あたし津々丘くんの様子を見て、ただ事じゃないって思って…ごみ捨て場の方を窓から覗き見たの。そしたら女の子が危ない目に遭ってて…」
「………。」
「でもあたし怖くて…ごめんね!助けにいけなかった…」
ちーちゃん…
そんなに私のために苦しんで…
そんな…全然いいのに
でもどうしてそこまで…
「千春ね、ずっとあなたに謝りたいって。私に泣きついてきたのよ。でも9組って男ばっかりじゃない?だからなかなか近づけなくて。」
そうだったんだ…
「…私の方こそごめんね。何も知らなくて…」
「違うの!」
え?
「あたしが行かなきゃいけなかったの…あたしが……」
ちーちゃん?
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