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「ごめん!肝心の体操服忘れてきちゃった!取りに行ってくる!」
「あ、ちーちゃん…」
呼び止めも虚しく、ちーちゃんはバタバタと走って行ってしまった。
どうせ一旦教室戻るし大丈夫なのに。
「千春って昔からああなのよね。そそっかしいというかおっちょこちょいというか…とにかく思い立ったら即行動しちゃうタイプっていうのかしら。」
そっか。
何だか頷けるな。
ちーちゃんってホント可愛らしいな。
「私は絶対にあの子の笑顔を守るって決めたの。」
突然、里香ちゃんがそう呟いた。
「あの子の笑顔を奪ったあいつらを…私は絶対に許さない。」
「里香ちゃん?」
急にどうしたんだろう…
里香ちゃんはいつの間にか拳を握り締めていて、その拳が静かに震えていて…
その震えは寒さからとかではなく、怒りからきているものだと感じた。
「渚…気をつけるのよ。あいつらに目をつけられて、タダで済むとは思えない…あの子が……千春がそうだったように…」
「え…?」
―…
*side...Chiharu*
「あたしのバカ!何やってんだろ!」
そもそもの目的を忘れるなんて!
なんでいつもこうなのかな。
「よう。元気か?
千春。」
「え?」
不意に肩を掴まれ名前を呼ばれた。
振り向くとそこには…
「な…んで……」
浜中くん …
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