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「なんで。とはすげー言い草だな。」
彼はそう吐き捨てるとニヤリと笑った。
何?
何なの?
何が起こってるの?
あたしは混乱して状況が全く分からなかった。
混乱を通り越して呆然とするしかなかった。
「どうした?こんなとこにぼけーっと突っ立ってていいのか?」
ハッとした瞬間。
「や、やめて!」
強く腕を掴まれていた。
「せっかく隙をつくってやったのになぁ。お前が悪いんだぜ?大馬鹿な千春ちゃん?」
あの日の出来事が一気にフラッシュバックする。
震えが止まらなくなる。
「いや…やめて…離し……」
「いいねぇ、その顔。そそるぜ…千春。」
彼の手が私の頬に触れる。
「“また”遊んでやろうか?」
私の耳元で確かにそう囁いた。
その瞬間、怒りなのか悲しみなのか恐怖なのか…何の感情ともいえない、どこから来るものなのか分からないものが一気に溢れ出た。
「いやあぁぁぁああっ…!!!」
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