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化学準備室が見えたとき周りには誰一人いなかった。
「やだ…やだよぅ…お願い……やめて…」
正確にはいたのかもしれない。
が、見て見ぬふりをして立ち去ったのだろうということがすぐに飲み込めた。
「浜中。」
あいつが視界に入った瞬間、俺は冷静さを失いかけていた。
「なんだ。やっと来たか…鈴代会長さんよう。」
「ふざけるな。まずはその子からその汚ねぇ手をどけてもらおうか。」
「何故?」
「穢れる。」
「ハハハハ!じゃあもうこいつはとっくに穢れてるぜ?」
「黙れ。お前の声を聞いているだけで虫酸が走る。」
「その言葉。そっくりそのまま返すぜ?」
そう言い放つと…
「お前はもう用済みだ。」
「ぅぐっ…!」
目の前でその子の腹を蹴り飛ばした。
「入った~。今のは上手く入ったな。」
さっきまで震えていたその子はうずくまってピクリとも動かなくなった。
「殺す。」
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