宣戦布告

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「ありさ?…いや、知らねーな。俺は女の名前は簡単に忘れねーからな。」 もしやとは思ったが… やはり…違うのか… 「只今をもってゲーム開始だ。じゃあな。」 そう不適に嘲笑うと奴は消えていった。 「ありさ…」 お前…一体誰に…… 無念さだけが募る。 「…っ……!」 痛てぇ… 視界が徐々にぼやける。 立ち上がろうとするが体に力が入らない。 情けない… なんて無力なんだ俺は… ―… 「それにしても千春遅いわね。一体何してるのかしら…」 「何かあったのかな…」 「あの子のことだから、転んだり寄り道したりしてるんだろうけど…」 そんなに頻繁に転ぶのかな? それにしても心配… 「よかった…渚ちゃん!」 聞き慣れた声が聞こえ、振り向くとそこには… 「リョウくん?」 息を切らしたリョウくんと… 「キョウくんも…?」 「本当によかった…」 何故か安堵の表情を浮かべたキョウくんがいた。 「どうしたの?こんな所まで…何かあったの?」 「渚ちゃんじゃなかった…本当によかった!」 一体何なんだろう? 「僕ら教室にいたんだけど、さっきすごい悲鳴が聞こえたんだ。女の子の…」 「え?」
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