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ガタッと音を立てて急に里香ちゃんが立ち上がった。
「まさか…」
「里香ちゃん?」
「それ、確かなのね!?何処!?悲鳴は何処から聞こえたの!?」
「え!?それは分かんないんだけど…とにかく一階か二階のどこかだと思う!」
リョウくんの言葉を最後まで聞き取らないうちに里香ちゃんはすごい勢いで飛び出していった。
「里香ちゃん!待って!」
何なの!?
何だかよく分からないけど…
とにかく里香ちゃんを追いかけよう!
*side...Ryo*
「宝堂先輩!」
「ごめん!里香ちゃん追いかける!」
「あ、ちょっと!」
とにかく渚ちゃんが無事でよかった!
と安心したのも束の間…
またもや目の前から消えてしまった。
「恭輔、僕たちも追おう!」
「え?」
驚きと呆れが混じったような表情で振り返る。
「宝堂先輩は無事だったんだからいいじゃない…」
「うん…そうなんだけど…なんか、追わなきゃいけない気がするんだ!」
行かないと…きっと後悔する。
そんな気がしてならなかった。
「どうせ止めても聞かないくせに。よく言うよ…」
「うん…ごめん!」
恭輔には本当に迷惑かけてばっかりだね…
でも…
「ほら…行くよ。」
いつも助けてくれる。
「…ありがとう!」
そうして再び渚ちゃんを追うのだった 。
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