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*side...Koh*
無闇に走っていた僕らだったが、廊下でおろおろしている生徒に呼び止められた。
「あ…つ、津々丘!」
「あぁ!?」
「ひぃ!」
アキは目つき悪いから他の生徒には怖れられている。
「今急いでんだよ!」
「あ……ごめんなさい!アキ怒ってるわけじゃないんです!何ですか?」
「コウ…今はそれどころじゃ!」
「いいから!」
アキが他の生徒に話しかけられるなんて、よっぽどの用事がない限り滅多にないことだ。
ということは…
「いや、その…さっき鈴代がさ…」
茜が向かった場所。
そしてさっきの悲鳴が浜中絡みであるということを教えてもらった。
コウ「ありがとう…!」
「いいんだ…こんなことしかできなくて…ごめん!」
「そんなことはない。悪かったな…助かったよ。」
「津々丘…佐久間君…気をつけろよ!」
その人はきっと止めたかったに違いない。
でも止められない自分が悔しかったんだと思う。
だけど、こうして僕らに打ち明けてくれた。
それがどんなに勇気のいることなのか僕は知っている。
「あの人…いい人だったね…」
「…あぁ。」
化学準備室付近に差し掛かる。
そこの角を曲がれば…!
一番に目の前に飛び込んできたのは…
「茜っ…!」
血だらけでぐったりとした茜の姿だった 。
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