宣戦布告

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ー… 必死で追いかけて、やっと里香ちゃんの姿を捉えたと思ったら… 「来ちゃ駄目!」 「え?」 しゃがみ込んだ里香ちゃんと、もう一つ… 「あ…」 男の影があった。 「ハハハハ!今日の俺はついてる!ついてるぞ!」 あの時の… どうしよう… 「ちょうど挨拶に行ってきたとこなんだ。ご主人様になぁ。」 「な…何を言ってるの…」 「分からねーか?そいつは自分の目で確かめな。」 「渚!何してるの!逃げなさい!」 里香ちゃんは左の頬を押さえていて、真っ直ぐで綺麗な髪も乱れていた。 なんでそんなことになったのか、すぐに分かった。 「里香ちゃんに…謝って!」 「謝るだぁ?何言ってんだお前。」 笑いながらそう言った。 「渚!私のことはいいから逃げて!お願いだから…!」 「ほら…お友達もこう言ってくれてるぜ?」 そんな傷ついた里香ちゃんを置いてなんて逃げられるはずがない。 「謝ってよ!里香ちゃんに謝って!」 少し考え込んだかと思うと、何かいいことを思いついたと思わせるような口振りで声を発した。 「……謝ってやるよ。その代わり…」 「……んむっ…!」 一気に間を詰め寄られたかと思うと… いつの間にか抱き寄せられ… 強引に唇を塞がれていた 。
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