36人が本棚に入れています
本棚に追加
「ぐっ…俺は一体…どれぐらい気を失ってたんだ……」
「まだ動いちゃダメだよ!こんなに血が出てるんだから…」
「分からないけど、俺らが着いたときにはもう……ねぇ、やっぱり…」
「浜中…だった…」
そう…と一言反応するとゴウは俯いた。
「ゴウ…そんな顔するな…」
上がらない腕を必死で持ち上げようとしたら、その様子に気づいたのか…
ゴウが手を握ってきた。
「次は…負けねぇ…」
「うん…」
そうだ…
こんな所で立ち止まってる場合じゃない。
早く次の手を…
「そうだ…あの子…あの子は…」
「大丈夫だ。病院に連れて行った。」
「昭斗…」
「………。」
「はは…まんまとやられたよ…ざまぁねぇな…」
「…何言ってんだ。立てるか…?」
あぁ。
と言いたいところだが…
「悪い…無理そうだ…」
「そうか…」
辛そうな表情を浮かべた昭斗は静かに近づき、俺の体にこれ以上刺さらないようゆっくりと周りのガラスを砕いていった。
「そういえばあの子…確か…渚ちゃんの友達だったよね…」
「そうだ…ていうか渚さんを誘いに来てた子ですよ!」
奴に気をとられていて全く気がつかなかった。
待てよ…
「…渚は?」
「え…僕たちもすぐ飛び出してきちゃったから分からないけど…」
まずい…!
まだ…終わってない!
背中にガラスが刺さっていることも忘れ起き上がろうとする。
「ぐっ…いってぇ…!」
「何やってんだ!無闇に動かすな!」
「行か…なきゃ…」
「行くって…一体何処に…」
「渚の…ところへ!」
最初のコメントを投稿しよう!