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*side...Kyo*
「渚ちゃん!」
何これ…
何なんだこの光景は…
どうして宝堂先輩があんな目にあってるんだ…
「んっ!んんっ!」
僕らが着いた時には、必死に逃れようともがく宝堂先輩の姿があった。
予想もしていなかった光景に、ただ呆然と立ち尽くしてしまっていた。
「渚ちゃん…!」
リョウの声でふと正気に戻った。
あ…
「先輩…宝堂先輩!」
「…はぁっ…!」
「何だ…また9組か?どこまで俺の邪魔をすれば気が済む…」
まずい…!
矛先がこちらに向いた…
いや…
よかったんだ…
宝堂先輩は助かった。
だよね?
リョウ。
「今日は9組全員集合ってか…そんなに友情ごっこが楽しいのかねぇ。」
「…ぁ……」
宝堂先輩は浜中から解放されると一気に崩れ落ちた。
「そんなに崩れ落ちるほど嬉しかったのかぁ?こんなのまだ序の口だぜ?」
浜中は崩れ落ちた宝堂先輩の高さまで屈むと…
「今度は本気で喰わせてもらうからな。覚悟しとけよ?」
小さく何かを囁き、僕らの方を見向きもしないで立ち去っていった。
「渚ちゃん!」
正直、あまりにいろんなことがありすぎて自分の中で整理が追いつかなかった。
ただ、今は…
宝堂先輩に何て声をかけたらいいのか分からなかった 。
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