嵐のあと

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ちょ…なんてバッドタイミング… つーか… 「何事だ?」 「ちょっとどいて!」 「ぶほっ」 麗子ちゃんのパンチ効くわぁー。 あ。 鼻血… 「茜が!茜がぁ…っ」 ん? この声はコウか? 「麗子先生…茜助かるの…!?」 ゴウまで… と、次々に見知った顔の奴らが飛び込んでくる。 「みんな落ち着いて!…そこのベッドに寝かせて。」 「分かった!」 そこは俺と麗子ちゃんが寝るはずだったラヴベッド… と、冗談はさておき… 「一体…何があった。」 「乙夏先生っ!」 「うおっ!?」 宝堂!? すがるように俺のシャツを掴んで… 「お願いします!助けて下さい!茜くんを…助けて…」 悲痛の声を上げたかと思うと、ふと宝堂が視界から消えた。 「宝堂!?」 消えたかと思ったが、 「危ねぇ!」 消えたわけじゃなく… 「ギリギリセーフ…」 急にぶっ倒れただけだった。 ぶっ倒れただけ、というのには語弊があるか… 「渚さん!」 「…大丈夫。たぶん気を失ってるだけだ。お前ら…自習中に何かやってくれたな?」 「僕らは何も…一方的に…」 やられた、か… 「ここじゃ駄目だわ…出血が止まらない。厄介な箇所に傷を負ってるわ…」 「そんな…茜死んじゃうの!?」 茜が死ぬ? そんなに重傷なのか… お前…真実を突き止める前に逝っちまうのか… いくらなんでもそんなの悲しすぎるだろ… 「死なせねぇ…」 「先生…?」 お前の大好きな宝堂の頼みだからってのもあるが… 何よりも… ありさちゃんのためにも。 「お前は死なせねぇ。」
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