嵐のあと

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「ゲホッゴホッゴホッゴホッゴホッ!」 嫌だ… 僕はまだ… まだ! 「リョウ!」 恭…輔… 「馬鹿!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿っ!!」 「ゴホッゴホッゴホッゴホッ…」 怒られて当然だよね… 「苦しいの!?すごい汗…!」 「きょ…ゲホッゴホッゴホッゴホッ…すけっ…!」 「喋らなくていいから!」 名前を呼ぶだけで精一杯で… 体中が熱くなるのが分かる。 「良平!」 「先生!どうしよう…全然発作が治まらないみたい!」 先生まで… こんな姿見られたくなかったな… 「ったく…このド阿呆が。」 なんで…? 「尾樫…孝彦?」 「尾樫孝彦(おかしたかひこ)先輩だろうが。あ?」 「そ、そうでしたね!はい!」 最悪… この人は尾樫孝彦先生。 僕の主治医だ。 乙夏先生の学生時代の先輩?のようで、この人の前では頭が上がらないらしい。 隆二先生はこの人の影響を受けて医者になったって聞いたことがある。 でも僕は尾樫先生が苦手だ。 何故なら… 「お前なぁ、後でたっぷり仕置きだからな。覚悟しとけ。」 ドだけじゃ足りない。 超がつくほど… 超ドSだから。 「ゲホッゴホッゴホッゴホッ…!」 あーぁ… 隆二先生なら良かったのになぁ… 「礼治手伝え。車まで運べば機器が揃ってる。それと、そこの坊主。」 「僕…ですか?」 「お前しかいねぇだろうが。担架持ってこい。10秒以内だ。行け。」 「え!?何なんだよ…」 恭輔はいきなり言われて訳が分からぬまま保健室へと戻っていった。 鬼の尾樫 当時の通り名が今でも生きているらしい…
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