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二人っきりってのもちょっと気まずいような気がするけど…
聞きたいこともたくさんあるしありがたかった。
でも、どうして三人を追い出してしまったのだろうか。
「最初にこのクラスのことについてなんだけど…この学園、本当は8組までしかないんだ。」
「え?でも現にここに…」
「この9組は茜が創設したんだ。問題児ばかりが集められてるってことは茜に聞いたよね?」
「あ…はい。」
そう、
私も問題児…なんだよね。
改めて思うと落ち込む。
「簡単に言うと保護施設みたいなものなんだ。」
「保護施設?」
「このクラスの者達は皆何かしら問題を抱えているんだ。普通のクラスや学校じゃ手に負えないくらいのね…」
どういう問題なんだろう…
例えば万引き常習犯とか?
「例えば…コウとゴウは父親を目の前で亡くしているんだ。そして母親も行方不明…彼らが暗い路地裏で衰弱しているのを僕の父が見つけてね。それからは二人とも僕の家で暮らしているんだ。まぁそれももう四年前のことなんだけど…」
すごい…
私より小さいのに…
私より大きな傷を負っていたんだ。
あんなに明るいのはその悲しみを隠すためだったのかも…
そう思うとやりきれなくなった。
強いんだなぁ…
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