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｢渚先輩、大丈夫っ…!?｣
｢え？あ、うん！ありがとう…ゴウくん……｣
｢なんで…俺がゴウだって分かったの？｣
分かるよ…
だって…
｢ゴウくんはゴウくんだもん。｣
｢え…？｣
｢本当にありがとね…私、正直諦めてたの…もういいやって、どこかで思ってた。でもやっぱり…怖かったっ……｣
｢渚…先輩？｣
あれ…
なんでだろう…
なんで涙なんか…
悲しくないのに…
どうして……
自分の中で何かが溢れるのが分かった。
それを自分でも抑えられなくて…
それがまた歯痒かった。
｢ごめん…ごめんねっ…｣
｢………。｣
お願い止まって…
止まってよ涙…
ゴウくんだって困ってるじゃない！
もう…誰にも迷惑かけたくないのに！
頭の中が混乱してた。
もう自分が何を言っているのかも分からなかった。
すると何を思ったのか…
いつの間にかゴウくんを抱き締めていた。
｢ごめん…ごめんねっ……｣
ただ…
温かいぬくもりが欲しかった。
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