分かち合い

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あれから教室へ戻るとコウくん、リョウくん、心弥さんが駆け寄ってきて… 「た…ただいま戻りました。」 「渚ちゃん!どうしたの!?大丈夫!?何かあったの!?ごめんね、僕のせいで…」 「何言ってるの!リョウくんのせいなんかじゃないよ!」 「でも…」 すると私達の声を遮るように津々丘くんが言い放った。 「2組のFYHに目つけられちまったんだよ渚とゴウは。」 「なんだって…それはちょっとまずいな…」 あの、ちょっと待って… 「FYHって何ですか?」 「2組の藤丸、山本、浜中の三人組のことだよ。頭文字とってFYH。この学校じゃ有名なやばい連中だよ。」 ゴウくんが淡々と話す。 ヤバいってどれくらいなのだろうか? カツアゲとか暴力沙汰? いやいやその程度ならどこにでもあるか… 「俺も顔見られたけど…コウも心配だよ。あいつら俺がどっちか分からなかったみたいだから…」 「大丈夫だよ!だって僕らには茜がいるもん!それに複数で行動すれば」 「それはどうかな…」 意外にも心弥さんが口を挟んだ。 「中でも浜中は頭のキレる奴だからね。何か仕掛けてくるかも…」 そんな… 私があのとき逃げてれば… ううん! 騙されなければこんなことには… ゴウくんにもコウくんにも迷惑かけて… 私… 最低……
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