分かち合い

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昨日の茜くん… 一体何だったんだろう? 確か『ありさ』って… 近いけど私は『なぎさ』だし。 誰なんだろう… そんなことを考えつつ学校に向かった。 すると校門には昨日と何ら変わらない彼の姿が。 どうしよう… 別に私が何かしたってわけでもないけど… なんか気まずい… 私が校門の手前でオロオロしていると幸いにも救いの手が差し伸べられた。 「渚ちゃーん!おっはよー!!」 声をかけてくれた、というか叫んでくれたのはKGRのKことコウくん。 なんかやたらこれを気に入っている自分がいる。 でも助かった! 「渚先輩、どうかしたの?」 「え?ううん、全然!何もないよ!」 「ふーん…」 ゴウくんって鋭い! ていうかみんなかも。 さては千里眼の持ち主ではなかろうな? とか何とか思っている私は馬鹿である。 「おはよう渚ちゃん。今日は昨日来てないメンバーが3人来るみたいだよ。」 「3人?どうして分かるんですか?」 「うーん…勘かな?」 ニコニコしながら言う心弥さん。 今日もなんだかお世話になりそうな予感。 「茜ー!おはよー!」 「おう、おはよう。」 毎朝大変だね、と言うゴウくん。 別に苦じゃないさ、と返す茜くん。 私はその隙に長身の心弥さんに隠れて通り過ぎようとする。 「『なぎさ』」 「はい!」 「おはよう。」 「お、おはよう!」 キーンコーンカーンコーン 心弥「予鈴鳴ったから先に行くよ?じゃあまた後で。」 「あぁ。」 昨日のことが嘘のように、何の変化もない様子だった。 夢…だったのだろうか …
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