白蝶のルール

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「ねぇ恭輔。」 「…何。」 今… 「幸せ?」 「は?」 君たち3人が入学してきたときのこと。 今でも鮮明に記憶に残ってる。 特に恭輔。 君のこと。 ゴウも昔は獣のように敵意むき出しで、それはもう手をつけられるような状態ではなかったって聞いてるけど… 最初に君を見たとき… 絶対仲良くなれない。 そう思った。 だって… せっかく大きな瞳を持ってるのに目つき悪いし。 二言目には「馬鹿」って言うし。 否定の達人だし。 なんで灯也や歩と一緒にいるんだろうって… 謎で仕方なかった。 でもあの日… あのときから君は僕にも心を開いてくれるようになったよね。 今でも忘れない。 あの日のこと。 「何を言い出すのかと思ったら…」 呆れた? 「馬鹿。不幸そうに見える?」 「ううん!へへっ、幸せ仲間ー。」 「馬鹿、やめろよっ…」 嫌がるのを承知で手を握った。 恭輔の「馬鹿」は… 愛情表現ってこと。 みんな知ってるよ?
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