親切な人はお坊ちゃま

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なんてことが起きていたんだと思う。 そしてたぶん市役所に行って… 【今度こちらに引越してきた宝堂彬(ほうどうあきら)という者ですが、娘を"はくちょう"学園に編入させたいんですが】 【"はくちょう"学園ですね?】 【はい!"はくちょう"学園です!】 とかきっと言い切ったんだと思う。 ー… はぁ…と一つ溜め息を洩らす。 やってくれたねお父さん。 悪気がないのは分かってるんだけど… 「あっ、そういえば名前聞いてなかったね。俺は鈴代茜(すずしろあかね)!女っぽい名前だけど歴とした男だから!」 「はぁ。」 名前も綺麗なんだなぁと呑気に少々うっとり気味の自分。 もはや完全に警戒バリアは解除された。 「私は宝堂渚(ほうどうなぎさ)です。18歳。」 「マジ!?じゃあ俺ら同級生じゃん!俺も高3なんだ。ちなみに今俺が着てるのが白蝶学園の男子の制服ってわけ。」 そうなんだ。 カッコイイ… いや、制服が! 違うから! 彼のことじゃないから! 脳内で繰り広げられる独り言。 それにしてもなんかこの人… すごく嬉しそう…?
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