“道”

3/11
前へ
/336ページ
次へ
俺は真っ先にこう思った。 関わらない方がよさそうだ。 「あ、悪い悪い!いきなりで驚いたよな!俺は2年の門笠尊(かどがさみこと)だ!君を剣道部に誘いにきた!」 剣道部… そういえばまだ回っていなかった。 でも今週は水泳部。 予定は狂わせたくない。 「すいません。今週は水泳部なんで。失礼します。」 俺は軽く一礼し立ち去ろうとした。 しかし… 「おぉい!待て待て待て!どこへ行く!?」 「プールです。」 しつこい… 諦めの悪い人は苦手だ。 「残念だったな!水泳部は今プールにはいないぞ?プール開きは来月からだ!よって君は今週フリーだ!いや違う!今週も来週も再来週も、剣道部は君を大歓迎する!」 よく喋る人も苦手だ。 面倒くさい… この人は俺の苦手なタイプに十分当てはまっていた。 でもどうやら水泳部はパスするしかなさそうだ。 仕方がない… 「じゃあ今週は陸上部に行きます。情報ありがとうございました。では。」 今度こそ別れを告げる。 しかしまたもや阻まれることになる。 「君は“道”を極めたくはないか?」 その一言が俺の足を止めた。 ただ… その言葉の意味が分からなかった。 気になった。 知りたくなった。
/336ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加