167人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「…ネロ、ボスの所、行くかい?」
ルッスーリアに抱き締められているネロに声をかける。
正直、こんなフリフリな服を着ている奴は連れたくない。
「…僕は待ってます。リア姐様やベルフェ様と遊んでいただいてますので…マー様行って来てください。」
「ちょっと。マー様ってなんだい。」
ネロの後ろでベルとルッスーリアが笑いを堪えている。
「…ルッスーリア、ベル。侮辱料金払ってね。明日までに僕の口座にSランクの5倍。支払わなかったら…地獄を見るよ。」
「マー様!ベルフェ様とリア姐様を苛めてはダメです!」
「君も支払うかい。」
「…マー様。」
少し困った顔で僕を見上げてきた。
その顔をされると何故か怒れなかった。
「…もういいや。ボスの所に行ってくる。」
フッとネロから視線を外しドアから出ていく。
最後に見たネロの顔は
すがり付くようで
泣きそうで
僕は何故か苛ついた。
(…なんなんだろうね。)
(君を見ると僕は僕じゃなくなる。)
(そんな顔で僕を見ないでよ。)
(本当に、君が苦手だ。)
(なのにどうして)
(こんなに君を気にする僕がいる。)
最初のコメントを投稿しよう!