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その頃、マフィア界では秘弾と呼ばれる銃弾がありました。
ボンゴレファミリーの死ぬ気弾やトマゾファミリーの嘆き弾等がそうです。
エストラーネオファミリーも、秘弾を造ってお金を集めようとしました。
そして、出来上がったのは憑依弾と呼ばれました。
しかし、その弾は人道をあまりにも外している弾だった為、禁弾として、マフィア界では忌み嫌われました。
やがて、エストラーネオファミリーは他のマフィアから迫害され、余計に秘弾への執着が強くなりました。
執着心はやがて復讐心に変わり、沢山の実験を行い、他のファミリーに負けない弾を造ろうとしました。
その為には造った弾を試す『モルモット』が必要です。
エストラーネオファミリーは考えました。
弾を試す為だけに、人を買うお金はありません。
だったら、自分のファミリーの子供を使えばいいのではないか。
そう考えたエストラーネオファミリーは、自分のファミリーの子供を使い、実験を行いました。
元々、復讐心で行った実験です。だったら、他のファミリーを潰せるだけの兵隊も一緒に作ればいいのではないか。
その様な考えも浮かびました。
この実験で、沢山の子供が啼きました。
この実験で、沢山の子供が叫びました。
この実験で、沢山の子供が死体に変わりました。
この実験で、一人の子供が生まれました。
しかし、その子供は何処かへ消えてしまいました。
エストラーネオファミリーが、たった一人の男の子に潰された日に。
跡形も無く、消えてしまいました。
その子は、綺麗な金色の髪と瞳を持った男の子だったそうです。
その子は、大きな獣の耳と尻尾を持った男の子だったそうです。
その子は、エストラーネオファミリーの玩具としてこの世界に生まれたんだそうです。
その子は、世界に絶望を感じて生きて来たんだそうです。
これは、昔々のお話です。
だけど、現在に続いているお話です。
その子は、まだ生きてます。
初めて知った人の優しさ
初めて知った人の暖かさ
初めて知った心の痛み
その全てが、その子を大きくしていきます。
そして、今日も精一杯生きているのです。
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