167人が本棚に入れています
本棚に追加
暖かい陽射しにより僕は目が覚めた。
昨日散々泣いた挙げ句、談話室のソファーで寝てしまったらしい。
まだ焦点の定まらない目で辺りを見回す。
僕は、リア姐様の膝で寝ていたらしい。
…リア姐様の膝で…?
「───!?」
うわっ!
ごめんなさいリア姐様!
イタリアの夜は以外と冷えるのに…
リア姐様が風邪引いてしまったらどうしよう…
僕は立ち上がって毛布を掛けようとした。
「…っ!?」
何で、
「何で皆様此処で寝てらっしゃるのですか?」
ベルフェ様もアロ様も、
…マー様まで。
僕が茫然と立っていると、後ろの方でドアの開く(壊れる)音がした。
「…オイ、餓鬼。」
「ボス、様。」
ボス様はツカツカと此方に向かって歩いてきた。
幹部の方々をこんな所で寝かせたんだ。
…殺されても、文句はない。
キュッと目を瞑る。
次に来る一瞬の痛みを待った。
が、なかなか来ない。
恐る恐る目を開いた。
「…ボス様?」
「…なんだ。」
既にボス様は仕事部屋へ向かっていた。
途中、邪魔だったのかアロ様の頭を蹴っていたが。
「ボス様は、僕を殺さないのですか?」
「何故それを聞いた。」
「え?」
「このカス共はテメェで此処で寝る事を選んだ。風邪を引こうが俺の知ったこっちゃねぇ。大体、テメェで決めたんだろ。此処で生きると。だったら俺は手は下さねぇ。」
僕様はそれだけ言うと再びアロ様を蹴って、仕事部屋へ向かった。
「う゛ぉ゛ぉい!痛えじゃねえかぁ!…て、ネロは何で泣いてんだぁ?」
アロ様は頭を擦りながら僕の方へと歩いてきた。
「…なんでもないですっ!」
そんな様子が可笑しくて
僕は出来る限りの笑顔でアロ様を見た。
(皆様、本当にありがとう)
(僕は、此処で生きると決めました)
(決して、此処を離れないと決めました)
(…皆様と共に生きると決めたんです)
最初のコメントを投稿しよう!