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「リア姐様、何をなさってるのですか?」
「あら、ネロちゃん。お菓子を作ってるのよン!」
そう言いながらリア姐様は白い生クリームを作る。
オーブンからは甘い匂いが漂ってくる。
「…ケーキ、ですか?」
「そうよん!3月13日はスクアーロの誕生日なの!」
「…誕生、日?」
誕生日、位は知っている。
その人が生まれた日。
でも、それは祝うような事なのだろうか。
僕が悶々と考えていたらリア姐様が少し驚いた顔をした。
…何故?
「ネロちゃん、誕生日はね、」
この世界に生まれてきて
沢山の人に愛を貰って
此処まで
生きてきたって事を知る
大切な行事なのよ。
「…愛。」
「そう。愛よ?」
ご主人様が限界に達した時に僕の耳元でいつも囁いた言葉。
その時はその言葉に耳を塞ぎたくなったけど
本当は、何故か泣きたくなる程に暖かい言葉だと知った。
「…ねえ、ネロちゃん?」
「何ですか?」
「2月24日って何の日か知ってる?」
「2月24日…ですか?」
この話の流れからすると、誰かの誕生日。
でも、僕の知る人にこの日誕生日の人はいない。
「…正解はね、貴方と私達が初めて会った日。」
「…え?」
「私達の中で、初めて貴方とゆう存在が生まれた日よ。」
「リア姐様達の中に?」
「そう。だから、ネロちゃんの誕生日は2月24日にしましょうよ?」
不意に目頭が熱くなった。
一度も向けられた事のかった優しさに
僕はこんなにも溺れていく
「…はい!」
泣いてしまいそうなのをバレないように、出来る限りの笑顔で返事をする。
リア姐様も嬉しそうに僕の頭を撫でてくれた。
(この日、僕とゆう存在に僕は感謝した)
(今日まで生きてくれてありがとう)
(こんなにも嬉しい日に巡り会えた)
(本当に本当にありがとう)
─────────
この話はスクアーロの誕生日をベースに書き始めた…筈なのに。
何故こんな事に?
ごめんスクアーロ。
そしておめでとう!
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