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夜中に来た侵入者。
その人達からは僕の親、の匂いがした。
気が遠くなりそうな程の椿の匂い。
気が付いたら、僕は侵入者達を殺していた。
辺り一面の紅。
ああ…これじゃあの頃と同じだ。
エストラーネオファミリーにいた頃と…。
不意に背後に気配がした。
それと同時に知ってる声。
アロ、様
止めて。
今の僕に話しかけないで。
お願いだから…。
僕の今の姿を見て大抵の人は恐怖を感じる。
それはそうだ。
白い肌に鮮やかな紅。
金糸に絡まる鈍い朱。
僕と言う存在を緋が染め上げる。
異端、の存在なのだ。
受け入れて貰えず
認めて貰えないまま
人に迫害されて生きてきた。
もう、あんな思いはしたくない。
だから、アロ様。
今の姿を見ないで下さい。
僕を、否定しないで。
どうせ否定されるなら…
僕に
ち か づ か な い で
アロ様の綺麗な顔が歪んだ。
違う。
そんな顔をさせたい訳じゃないんだ。
ごめんなさい、アロ様。
アロ様のそんな顔を見ていたくなくて、僕はアロ様にもう寝るように促した。
少しでも、心の傷が浅いうちに
遠くに行ってください。
でもアロ様は僕に手を差し伸べてくださった。
僕を、否定しなかった。
ああ、お父様。
貴方が嫌う人間はこんなにも優しいのです。
貴方が憎むマフィアはこんなにも暖かいのです。
貴方が恨むボンゴレはこんなにも愛があるのです。
お父様、僕は貴方の想いを裏切る事になりそうです。
この優しさが
この暖かさが
この愛しさが
僕を、変えていくのです。
もう、貴方の人形[オモチャ]じゃないのです。
さよなら、です。
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前ページの主人公サイド。
訳分からない事に…(汗
文中にある「お父様」。
この人実は重要です。
いつか出したいと思っているので頭の片隅にでも…
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