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暗い部屋に閉じ込められてどの位経つんだろ。
僕は上半身を起こして上を見た。
天井が見えないほど高い。
闇に吸い込まれる感覚。
誰か、タスケテ。
伸ばした手が取られる事はない。
僕は永遠にご主人様の玩具。
運命は変わらない。
逆らって歩く事も許されない。
大きく手を伸ばした。
首輪に付いている鎖が不快な音をたてる。
「…おい。」
ああ。
ご主人様のお呼びがかかった。
「来い。」
鎖を強く引かれる。
「…はい、ご主人様。」
僕は立ち上がる。
その際に防寒用に渡されていた毛布が肩からハラリと音をたて落ちた。
暗闇に僕の白い肌だけが浮かび上がる。
ご主人様が息を飲むのが分かった。
「─────ッふ」
激しいキス。
ご主人様の舌が僕の口内を貪る。
どちらのか分からない唾液が僕の頬を伝う。
「ぅっ…あぅ。」
口が離されないままご主人様の手が僕の胸に触れた。
もう、嫌だ…。
目をギュッと瞑ると涙が溢れ落ちた。
僕は人形。
だから何も感じない。
だから何も思わない。
僕は人形。
僕は人形。
狂ったマリオネット。
壊れたマリオネット。
そう、自分に言い聞かせた。
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