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誰かが降りてきた。
頭の上に輝く輪がある。
…天使?
格好からして天使じゃないと思う。
こんな黒ずくめの天使、居るわけないよ。
「君はボンゴレを馬鹿にしすぎたんだ。死を持って謝罪して貰うよ。」
ボンゴレ?
なんだろう。
昔、沢山その名前を聞いた気がする。
僕が考えていたらご主人様が黒ずくめの天使に発砲した。
弾が当たる度に天使の体に紅い華が咲いていく。
床を血が濡らしていった。
でも、天使は笑っていた。
スッと右手を上げ、何かを握りつぶす様に拳を作った。
「ヒイッ!」
ご主人様の情けない声が聞こえた。
僕が目線をご主人様に向けると、震えた手で持っていた銃に蛇が巻き付いていた。
それが合図のようにご主人様の周りに幾千もの蛇が姿を現した。
「蛇の毒で狂って死ぬか、」
天使がパチン、と指を鳴らした。
すると沢山いた蛇があっという間に深紅の炎に包まれる。
「地獄の業火に焼かれるか。」
天使はニッと口角を上げた。
「…どっちが良いかい?」
ご主人様が大声をあげて僕の首輪を外した。
「俺を助けろ!これは命令だ!」
ドクンと心臓が高鳴った。
目の前が暗くなっていく。
次の瞬間、僕の記憶は途切れた。
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