地球最後の日

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今、世界は大騒ぎ。 そりゃそーだ なんせ今日で地球が滅ぶらしい。 ニュースキャスターが 『今日地球が無くなります。 どうしようもないです。 誰にも止められません。 ざまぁありません。』 という言葉を残して消えた。 テレビは砂嵐の画面を写し続けていた。 ぼくは昔から 地球最後の日が来たら今まで通り普通に生活しようと思っていた。 いつも通り カップラーメンを啜りながら 砂嵐の画面を見続けた。 テレビが何処も放送されていないのが残念だな… 皆きっと自分の思い思いの最後の日を過ごしているのだろう。 ぼくも普通に過ごすと言っても 悔いの残らない一日にしよう。 ぼくの人生に思い残す事なんてない。 ただ 淡々と生きてきただけ 今だってフリーターで夢も希望もない生活をおくっている。 親には本当はない夢があるとか言って仕送りをもらい、安アパート暮らし。 そんなぼくに最後の日、何かやり残したことがあるのか? ただ一つ残念な事は来週行くはずだった椎名林檎のライブに行けないことぐらいか 死ぬ前に違うカップラーメンも食っときゃ よかったな。 今からでも遅くない。 買いに行こうかな そんなくだらない事を考えていた時 アパートの外から叫び声が聞こえる。 ぼくはボロボロの窓を開けて 外を見てみた。 女の人が男の人をナイフで刺している。 男の人は腹から血を流して倒れた。 殺人事件だ。 これが彼女の最後に思い残した事だったのだろうか。 テレビも見れない今、世界の人間がどうしているのかはよく分からない。 いや テレビ局の人間が働いていないのだから きっと世界のほとんどの人間が自分の好きな事をしているのだろう。 あ そうだ。 うっかりしてた。 忘れてたわ。 ぼくの数少ない友達や家族に最後のお別れの電話をしておこう。 友達の半分くらいは繋がらなかった。 もう半分は意味のあるようなないような 話や 昔の思い出話。 などなどして 最後のお別れをした。 お母さん、お父さん、妹 三人にもお別れの電話を済ませた。 お母さんと妹は泣いていた。 お父さんはあんまり喋らなかった。 バイト先の人達にも電話しなきゃと思ったが、ここでちょっと一休み。 ぼくは 携帯に充電器を取り付けて机の上に置いた。 そして一服しようと煙草を取り出そうとしたその時
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