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―幼光の町―
『……ねぇ。おじちゃん…。』
戦場と化した町を歩く兵士はまだ年端もいかぬ幼き少女の声に振り返る。
――こんな所にいたら危ないぞ。
兵士が少女にそう呟くと少女は嬉しそうに微笑みかけ兵士に問いかける
『………欲しいの。』
少女のその言葉に兵士は悩ましい表情を見せながらも“何を?”っと聞き返そうとした瞬間であった…。
―――ブチュッ…。
聞いたこともない音が聞こえ胸にどこか違和感を感じた兵士が自らの体を見るとそこには大きな穴が開いていた。
――ぐぁぁあああ…!!!!!!!!。
断末魔の叫びは一瞬で風と共に消えゆき少女は自分の手の平でドクンッドクンッと脈打つそれを握り潰すと微笑んだ…。
『ほしいのはおじちゃんの命…♪』
………。
……。
…。
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