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横から声がして、そっちを見るとそこには金本が立っていた。思わずどきっとして立ち上がる。金本も一瞬目を見開いて、一歩下がった。
『か、金本……どうした?』
金本は言いづらそうに口を尖らせながら『あのー……、今日の授業で化学室に教科書とノート忘れたみたいで……』と呟いた。髪を耳にかけてるから耳が丸見えで、そっちを見たら少し耳が赤かった。恥ずかしがってるのか、緊張してるのか。
『化学室、鍵閉まってたので』
『あー……俺閉めたもんな。』
椅子の背もたれにかけていた白衣のポケットから鍵を取り出して、ちゃらちゃらと鳴らした。
『ありがとうございますっ』
金本はにこっと笑って俺から鍵を借りて行った。
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