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学校を出て、アパートの駐車場に車から降りたら部屋の窓の電気が点いてることに気がついた。眉を細めて、買い物袋と鞄を持ち俺は自分の部屋へ行った。
自分の部屋の扉まできて、ドアノブをそっと回すと普通に開いたので思わず驚いた。やっぱり、泥棒か?それにしても、変に警戒心に欠けてるなと思いながら扉を全開にすると
『公輔!!』
声がしたと思ったら、『っ――うわっ』抱き付かれた。買い物袋と鞄が床に落ちる。ほのかに香る甘い香水の匂い。これは――
『……み、く?未来か?』
俺はそう言うと、首に回された腕がぱっと離れて、『おかえり公輔っ!』と言われた。やっぱり未来だ……。
未来は鞄と買い物袋を持ち、台所に適当に置くと俺を居間に連れ込んだ。居間の小さいテーブルにはハンバーグと白米、ポテトサラダがあった。
『私が作ったのよ?公輔のことびっくりさせたくてっ』
そう言って、未来は座って箸を持った。早く食べましょ、と目を輝かせる。俺は頭の中を整理するのに神経を集中させた。
『未来……どうやって家に上がり込んだ?』
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