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それから何日か過ごして、段々と馴染んできた。
『今日の最初の授業は――』手帳を見ると、そこに書いてたクラスは[3年B組]だった。担任に座席表を貸して貰って、化学室へ行くと『あっ、上原先生だ!』と叫ばれた。女子生徒が三人駆け寄って来た。リボンの色が青だったから、三年生だと分かった。
『先生何歳?』
『近くで見るとさらにかっこいいー』
『ほら授業始まるからっ』
この絡みには慣れた。俺は化学室にさっさと入れて黒板の前に立つとちょうどチャイムが鳴って、生徒が挨拶をした。
『えっと、上原公輔です。よろしくなー……これは、出席番号順か?』
俺は尋ねると、何人かが反応した。それから、自己紹介を生徒にしてもらって、授業を始めた。
『これ復習だからな。じゃあこれを……』顔を上げると、左から二列目の後ろ側の女子が完全に寝ていた。ぐったりとしてるほうが近い。俺は目を細めてから、座席表でそこの席を確認した。
[金本美月]
金本美月……?どっかで聞いたことあるな、と思いながら俺は『じゃあ金本!これ答えて』と言った。
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