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「見てくださいよ!!ジギィさん!!!レイブンが話し始めたんですっ」
写真をヒラヒラ揺らしながら、スリナムが研究室に飛び込んできた。
彼の子供・・・二卵性双生児の子供達は、元気に育っている。
妻のルネッサも、産後の状態も安定しており、元気だ。
「喋ったって・・・まだ一ヶ月でしょう」
「いいや!!喋りましたよ。確かに!!!“パァパ”って言ったんです!!!」
赤子が偶然口にした言葉だとは思うが、スリナムのはしゃぎ様に、ジギィは苦笑した。
きっと、本当に嬉しかったのだろう。
「あの子はもしかしたら、天才なのかもしれないっ」
非常に興奮している。
「レイブン様だけに構うと、レイネ様がぐれてしまいますよ」
資料をトントンと整えながら、言うと、スリナムがハッと目を見開いた。
「そ、それはダメです!!!それに、レイネはきっとのんびり屋さんなだけですから」
慌てて弁解するスリナムに、ジギィは今度こそ声を上げて笑った。
平和な時が、穏やかに過ぎていく。
この時には、もう・・・スリナムとジギィは、階級や20歳以上の年の差をも乗り越え、深い友情を育んでいた。
互いに守るべき者がいるからだろうか。
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