817人が本棚に入れています
本棚に追加
通じるものがあるのだろう。
研究者としても優秀な二人は、仕事でもよくコンビを組む様になっていた。
どちらかといえば、スリナムがジギィを慕っている・・・と言った方が正しい。
「今度、あの子達に会いに来て下さい。歓迎しますよ」
「い、いや・・・それは・・・」
いくら仲が良くても、階級は天と地ほども違う。
馴れ馴れしく家に訪れる・・・など、貴族会の貴族達に知られれば大変な事になる筈だ。
「何言ってるんですかっ!!ジギィさんは僕の息子と娘の名付け親でもあるんですからっ!!変な遠慮はやめてください」
無邪気に微笑むスリナムに、ジギィは困惑した。
ジギィ自身、スリナムの子供達には会いたいと思うし、スリナムの好意を無下にしたくないとも思う。
けれど・・・もって生まれた血のせいか。
上の階級の人間にはへつらう様に出来ている。
「お願いします!!!」
彼と出会ってから、ジギィは、自分が変わった事を実感していた。
贅沢三昧の生活。
己の階級を誇示する事しか知らない愚かな存在。
ジギィが階級が上の貴族達に抱いていた、感情。
けれど・・・今は違う。
少なくとも、スリナムはそんな男ではない。
優しく・・・思いやりもある。
最初のコメントを投稿しよう!