月夜に唄えば -ある男の章-

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通じるものがあるのだろう。 研究者としても優秀な二人は、仕事でもよくコンビを組む様になっていた。 どちらかといえば、スリナムがジギィを慕っている・・・と言った方が正しい。 「今度、あの子達に会いに来て下さい。歓迎しますよ」 「い、いや・・・それは・・・」 いくら仲が良くても、階級は天と地ほども違う。 馴れ馴れしく家に訪れる・・・など、貴族会の貴族達に知られれば大変な事になる筈だ。 「何言ってるんですかっ!!ジギィさんは僕の息子と娘の名付け親でもあるんですからっ!!変な遠慮はやめてください」 無邪気に微笑むスリナムに、ジギィは困惑した。 ジギィ自身、スリナムの子供達には会いたいと思うし、スリナムの好意を無下にしたくないとも思う。 けれど・・・もって生まれた血のせいか。 上の階級の人間にはへつらう様に出来ている。 「お願いします!!!」 彼と出会ってから、ジギィは、自分が変わった事を実感していた。 贅沢三昧の生活。 己の階級を誇示する事しか知らない愚かな存在。 ジギィが階級が上の貴族達に抱いていた、感情。 けれど・・・今は違う。 少なくとも、スリナムはそんな男ではない。 優しく・・・思いやりもある。
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