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「痛い!痛いぃっ!!」
余りの激痛にマスミは頭を抱え込んでうずくまった。
(…うぅっ、が、我慢できない!痛い!びょ、病院行かなきゃ!!)
マスミは、髪型も中途半端なまま服を来て、背筋をくの字に曲げながら急ぎ足で家を出た。
マスミは、家の前の通りを人の行き交う駅に向かいよたつきながら走りだした。
(ない!ないぃっ!!病院がないよぅっ!!)
行き交う人々が全員、マスミの悲壮な顔を不思議そうに振り向いた。マスミは病院を捜し出す事が精一杯で、人の目など微塵も気にならなかった。
目の前に交差する筋を抜けると、もう駅に着いてしまう。
(ヤバイ!ヤバイよぅ!)
マスミは、激痛と見つからない焦りで、半ば錯乱状態に陥りかけた。
ふと目を横にした時、
「波佐間医院」
夕暮れ時の太陽を背にしていたので、見落とすところだったが、明かりが点いていたおかげでかろうじて、見つける事ができた。
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