序章

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彼は、一人だった。 いつもマウンドの真ん中で 一人ぼっちで投げていた まわりには誰もいない 一人でずっとずっと投げていた 一人ぼっちの彼の願いは みんなで野球がしたい ただ、ただそれだけだった 彼は投げるのが好きだった マウンドを離れても 毎日毎日投げ続けていた 彼は願いを叶えるために 遠く 何も知らない場所へ行ってもなお 投げ続けた 毎日、毎日一人で ふと知らない場所で見つけたマウンド 眺める彼に 声をかけた黒髪の彼 「よかったら………」 彼は少し考えてから頷いた
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