59人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
夏休みも中盤
真子の家族はお盆になると、東京の母方の実家にお墓参りを兼ねて遊びに行く
今年も一泊二日の東京ツアーにやってきた
健太とは、あの電話以来、電話もなければメールもない
真子は罪悪感に悩まされていた
何一つ、健太のこと知らないくせに外見だけで判断し、すごくひどいことを言ってしまった
健太はとても傷ついたんだろう
電話を切る間際の、あの健太の悲しそうな声が今も耳に残っている
謝りたいけど、何と言って謝っていいのか…許してくれるのか…
電話をかけるのが怖くて、何度も何度もためらって発信しようとしたが、結局はかけられないでいた
母の実家についても、真子は浮かない顔で一人、縁側に座って携帯を眺めていた
「真子ちゃん?どうしたの?元気ないね?」
この家に住む、従姉(いとこ)のルミが真子の隣に座った
「ルミちゃん…」
長女の真子にとって、一つ年上のルミは姉のような存在だった
普段は強がりで弱みを見せない真子だが、ルミには全てを見せることが出来た
「あたしさぁ…勝手に人のことをこうだって決めつけるクセあんじゃん?あれでちょっと言い過ぎちゃってさぁ…謝らなきゃって思うんだけどなかなか勇気が出ないってゆうかさぁ…それでこんな感じ」
真子は携帯を閉じたり開いたりしながら力なく話した
最初のコメントを投稿しよう!