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翌日、真子とルミと兄妹の合わせて4人で出かけた
1年ぶりの乗る山手線は、お盆の中日ということを忘れるくらいの人の多さだった
真子達4人、やっとの思いで電車に乗り込んだ
乗り降りする人の波に揉まれて、ルミと真子の妹が遠くに流されていく
真子は一人にはなるまいとルミの兄の誠也の服をしっかりと持って人の波に耐えた
ふと、開いた電車のドアから見覚えのある男が乗ってきた
健太だ
真子は驚いて目をこすって何度も確認した
こちらからはよく見えないが、誰かと一緒である
真子は無意識に誠也の服を引っ張る力が強まった
「真子ちゃん、痛い」
真子より15cmほど背の高い誠也が真子の頭をポンと叩いて苦笑いをした
原宿駅につき、やっとの思いで電車から降りることができた
「ルミちゃ~ん」
真子が叫んでルミを呼ぶが応答はない
見渡す限り、ルミと妹の姿は見当たらない
「…真子ちゃん?」
背後から真子を呼ぶ声がした
真子は恐る恐る振り向いた
思った通り、健太が驚いた顔で真子を向かってつっ立っていた
隣には真子よりも背の低い小柄で華奢な女の子が立っている
どこからどう見ても、カップルでデート中といった雰囲気だ
真子はなんだか苛立ってきた
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