えぴそぉど Ⅰ

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プルルルルルル ふいにホームにベルが鳴り響き我に返る ファァァン と列車がホームに入ってくる 「あのっ……!」 俺は思い切って女の子に声をかけた 女の子はビックリして振り向く 「189番の子…だよね?合格おめでとう!」 俺はドキドキしながら話しかけた 女の子は驚いてしばらくおっきな瞳をパチクリしていたが、あっ、と何か思い出したように口を開いた 「受付の人…」 受験当日のようなしゃがれ声ではなく、繊細な…消えてしまいそうな声で喋った 俺はさらにドキドキが増す 「お、覚えててくれたんだ!そう受付の!風邪はもういいの?」 俺は嬉しさを抑えきれずに女の子に話しかける 「はい…だいぶ。その節はお世話になりました。おかげでギリギリセーフで試験受けられました」 女の子は深々と頭を下げた 「いやいやそんな…俺は何も…」 俺はあたふたと両手を振り、否定する
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