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気がつくと、二日間だけの宴が終わり祭も終局へと近づく。
これからこの祭の最大のイベント…
火葬の時間に入る。
俺が使っていた身体が炎に包まれる…
しばらくすると、意思など持たないはずの身体が熱によって動き出す。
『今までご苦労様。
俺はこれから得体の知れない旅に出るよ…
ありがとう…』
愛着の無くなった身体…
しかし何故か燃えていく姿を見て涙が頬を伝う…
しばらくすると、もう熱で収縮する事の無くなったカルシウムの塊が現れた…
それは紛れも無く自分自身だったもの…
『ありがとう』
人間によって骨壷に納められた昔の自分。
もうこの世に俺の存在していた事を示すのは写真しかなくなってしまった…
しかしそれでいいのだ。
俺は今から自分を捜す旅に出るから…
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