二話

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赤坂春馬(あかさか はるま)は、悩んでいた。 それは慢性的な、一朝一夕で解決される事のない悩みだった。 授業中にも関わらず机に俯せになり頭を抱える。 (あ~、もう、だめ) 見れないのだ。 教師が。 と言うよりは、特に数学の西野を見ることが出来なかった。 西野を視界に入れるだけで、鼓動が速くなり顔が熱くなる。 端的に、授業を受けられるような精神状態ではいられなくなるのだ。 そして春馬は悩んでいる。 今が数学の時間だからだった。 (見れない、絶対。おかしい) 自分の情けなさに春馬は涙が滲むのを感じた。
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