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赤坂春馬(あかさか はるま)は、悩んでいた。
それは慢性的な、一朝一夕で解決される事のない悩みだった。
授業中にも関わらず机に俯せになり頭を抱える。
(あ~、もう、だめ)
見れないのだ。
教師が。
と言うよりは、特に数学の西野を見ることが出来なかった。
西野を視界に入れるだけで、鼓動が速くなり顔が熱くなる。
端的に、授業を受けられるような精神状態ではいられなくなるのだ。
そして春馬は悩んでいる。
今が数学の時間だからだった。
(見れない、絶対。おかしい)
自分の情けなさに春馬は涙が滲むのを感じた。
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