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男が好き、なんて。
異常者にも程がある。
何度己を『気持ち悪い』、『最低』と罵ったか知れない。
もう諦めようと思ったことなど星の数ほどもあった。
だが、結局好きになったらどうしようもなかった。
「…赤坂?」
春馬のそんな葛藤など知らず頭上から声が掛かる。
僅かばかり怒気を含んでいるようだった。
それでもなお春馬は顔を上げようとしなかった。
体が硬直する。
声の主が誰か分かってしまったからだった。
(~見れない…っ!)
春馬の机の上に手を付いて見下ろしているのは、当然、西野だ。
もはや意地だ、と春馬は意を決した。
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