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何が何でも顔を上げない。
例え評定1になろうとも─それはかなり困るのだが─この姿勢を貫き通すと決めた。
しかし、頭上からはぁとため息が聞こえ、
「赤坂ぁっ!!」
「はいぃぃっ!!!」
普段西野が出すこともないような怒声に身の危険を感じた。反射的に顔を上げてしまう。
ばちりと、目が合った瞬間春馬は人生の終わりを感じた。
想定以上に顔の距離が近かったのだ。
刹那、顔が炎に当てられたように熱くなって、泣くかもしれないと思った。
この場合は嬉し涙なのか悔し涙なのか、そんな悠長な考えすら頭をよぎりはじめる。
きっと、赤ん坊が泣くのと同じで、わけがわからないから泣きたいんだと思った。
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