二話

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「…先生ぇ、ベッド貸して」 「あら、風邪?熱計る?」 「いい。熱ない」 階段から転げそうになりながらもなんとか保健室にたどり着き、承諾もろくに得ずにベッドに転がる。 ここが一番空調設備が整っている、唯一夏の暑さを忘れる事の出来る場所だ。 寝ようと努めていると、先生が楽しそうな笑い声を立てて椅子を寄せてきた。 「病気かな。恋の病?」 どきりと心臓が大きく一跳ねする。 「……………保健室の先生ってさぁ」 「ん?」 「大概エスパーだよね」 そう言って俺は、更に布団にくるまった。
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