三話

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* * * * * まずい。 非常にまずい。 いや、非情なほどまずい。 春馬は、何か自分が詩人になったような心持ちでいた。 寧ろ、そうやって気を別の所にやらなければ心がへし折れて潰れてしまいそうな状況だった。 先刻、保健室から出た所で、西野に呼び止められた。 それだけならば良い。 教科担として体調不良の生徒を気遣う、ごく自然の行動だ。 だが、例の如く春馬が逃げ出しかけた。 それがおそらく、120%いけなかった。
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