三話

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(あなたがいれば俺は、それでいい…のに) 好きなのに、この気まずさが、もどかしい。 今度こそ涙が零れそうで、春馬は無理矢理西野の手を振り払った。 「大丈夫ですから…っ」 駆け出した。 西野の顔は見なかった。 どんな顔をしていたのだろう。やはりおかしな奴だとでも思われたか。 また春馬は唇を噛んだ。 好きなのに。 好きだから。 好き、だけど。 辛い。  
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