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「う…、噂だ噂っ!絶対!何が何でも!有り得ない!」
叫んでから、春馬は周りの客の痛い視線に気がついた。
知らず知らず自分は立ち上がっていたようだ。
店内の注目の的になっているという事実が、春馬を赤面させた。
羞恥を誤魔化すように、こほん、と咳払いを一つして座る。
春馬は学校近くのファミレスにいた。
無論一人ではない。
しかし彼自身、寧ろ彼が一番、自分がなぜここにいるのかわかっていなかった。
「私だって最初は噂だと思ったけど…、でも、火のない所に煙は立たないし。やっぱり疑わしいよ」
「どこが…っ!」
と、また声を荒げかけて、先の羞恥が頭を掠める。
軽く頬を朱に染め、頭を振って自分を鎮めた。
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