四話

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明らかに自分はこの女に振り回されている。 自分のそんな気持ち悪い感情、誰にも言いたくなどなかったのに。 何故自分は簡単に口にしてしまったのだろうか。 願わくば、十数分前の自分を殴り倒したい。 「憧れてるから?同性愛者なんかじゃないって、そう思いたいだけ?」 「…えと、いや、うん…てゆうか。…わからない。たぶん、あの人をそういう目で見たくないんだと…思う」 「…わかるけど、それでも赤坂君は西野先生が好きなんでしょ?それって矛盾だよ」 「そうだけど…」 冴木は悲痛じみた表情をしていた。 きっと冴木も、汚れないで欲しい相手に対する恋心に、葛藤しているのだろう。 自分と同じだ。 同じだ、が。 やはり、わからない。
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