四話

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──── ドンッ 「おわっ」 冴木と別れてすぐ、ちょうど曲がり角を曲がったところだった。何かに勢いよくぶつかって拍子に尻餅をついてしまう。 「あっ!ごめん、ごめん。大丈夫?」 おそらくぶつかってきたのだろう人が手を差し伸べてくる。 痛む尻をさすりながらその手を掴み、顔を合わせた、瞬間。 「……え?」 知っている顔だった。 頬がいやに熱くなるのだけを感じて、春馬は目の前の人物を食い入るように見つめた。 「…大丈夫?どっか痛むの?」 綺麗に染められた金髪。背は高いが、どこか儚げな、女性のような雰囲気の男。
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