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外はもう真っ暗闇の時間だった。
「あ、ミキくーん」
「…美喜(よしのぶ)だ。変な呼び方するな」
駐車場に向かうと、宣言通り自分と同じ顔をした男が自分の車の前に座り込んでいた。
ただし、座り込んだ男は髪を金に染め髭も丁寧に処理し、眼鏡も掛けていない。
一目では同じ顔とわからないだろう。
女にも見える雰囲気のその男は、へらりと笑って手を振ってきた。
立ち上がる足取りがおぼついていない。
本当に酔っ払っているようだった。
「いぃじゃん読めるんだしー。ね、ミキくん。今日泊め「嫌だ」
「え、即答?可愛い弟の頼みだよぉー」
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